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子楽夢(コラム)

2011年10月号   「大切なもの」  「WITH YOU」
 七月十三日に私の母校の中学校で話をする機会があった。その中学校には昔から「自問教育」なるものがあり、その集会での話となった。毎回ごとに地域の人の話を聞く集会で、様々な業種、例えば「漁師」「老人会」「消防団」や「漁協の青壮年部」など身近な地域の人の話である。私自身は「地元消防団の話」に続いて二回目の参加で、今回は「東日本大震災のボランティア」の話をして欲しいとの要請であった。
 私は、鳥羽市の青年会議所の「東松島市への炊き出し」にお願いをして同行させてもらった。その、四月と六月の時の話をさせてもらった。中学生にどのように伝えるか悩んだ末に、私は「今、自分にできること」をテーマに震災の話をした。震災以降、私は子供たちのことが気になっていた。テレビでは繰り返し流される津波の悲惨さを伝える映像ばかりで、この地域にもし津波が来たらどうしたらいいのかと恐怖や不安な気持ちになっていないかということであった。それを少しでも解消できるように努めた。
 まず、最初に東松島市の四月のスライド写真。津波に襲われて流されたままの家や陸に乗り上げた大型船。自然の恐ろしさや自然の力の凄さを感じるものが多い。そして、六月のスライド写真。違いが分かるように同じ場所の写真を撮って並べて見せた。瓦礫が片づけられていた。そして、泥に埋もれたグラウンドは仮設住宅が立ち並び、すでに八百人以上が生活していた。私はこの写真を見せて復興は出来るということを伝えた。そして六月に感じた人間の力の凄さを伝えた。「復興は必ず出来る」それには何よりも大切なのは命であり、もしも津波で家や町が流されたとしても、命さえあれば、また復興が出来るから大丈夫だと。 今回、伝えたかった人とのつながりや「絆」の大切さ。震災で改めて気づかされたことを子供たちに伝えた。「人と人の繋がりの濃いこの地域」に生まれてよかったと感じたこと。そして、「家族」「友達」「地域」の大切さ。今、中学生として自分に出来ることはボランティアをしなくても被災地を想い、そして考える。勉強出来ない人を想い、勉強できることに感謝して頑張ること。クラブ活動もできない人を想い、クラブ活動できることに感謝して頑張ること。それぞれが「今、自分に出来ること」をやる。まずは、身近なことから。しかも、本当に大切なものは、近すぎて見えにくい。それは家族であり友達であり地域である。そのなかにもっとも大切なそれぞれの命がある。
 今、震災から半年が経過して、ほとんどの方が避難所から、ようやく仮の住まいに移ることができた。九月の炊き出しでは、地元の被災者の方々と共に炊き出しをやることが出来た。家を失くした小学生の子供たちにもお手伝いをお願いした。むしろ、中心となってやってもらった。そして、笑顔の多さにも元気をもらった。私たちはあくまでも支援であり共にあるという思いである。大切なことは傍ら(かたわら)にいることであり、いつも想いは共にあることである。
 いわば WITH YOU である。
 人が力を合わせた時の本当のすごさを大切な子供たちにも、もっと知ってほしい。
 これから東日本では、ふるさとを取り戻す「千年に一度の大復興」が始まる。人が力を合わせ、地域が一つとなって復興していく。何年かかるのか分からないが、戦後の奇跡の大復興を成し遂げたように。そして、「復興」が「福興」となり「福幸」となるのを、目の当りにする。
 我が愛すべき地域の子供たちにも地域が協力する姿を是非とも見せてあげたい。それにはまず、「大人同士、親同士」が親しくすることが、なによりも大切。そして「地域全体」で子供たちの傍らでやさしく見守る。「大人」が「地域」が「しあわせを感じるとき」の多くは、「傍らで子供たちが、元気でそして笑顔でいるとき」である。
 やはり、子供たちにも言いたい… 「ありがとう」と。



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