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るるりっこ


2015年6月号  第13話「宮崎での決意」

 さて、偶然が重なって春の全国大会出場の権利を得たルルリコが所属するソフトボールクラブチーム「ウキウキスピード」は、新メンバーのクレハ、さらにスーパー小学生のシオリを加え宮崎へ向かいました。
 特に島っ子のルルリコにとっては、全国大会という言葉だけでも想像できないほど壮大なもので、まさか自分達がそんな舞台に立てるなんて夢のような話でした。
 そんて、上級生のルル・リコ・クレハを筆頭に、ドキドキ・ワクワクの全国大会が始まりました。
 一回戦は、兵庫県代表の強豪「姫路ルーキーガールズ」。小雨の中、プレイボール。ルルリコの両親も忙しい中、宮崎に駆けつけ全国大会の雰囲気をあじわい、緊張する娘達を見守るように応援しました。
この時、リコのポジションはキャッチャー。ルルはサード、クレハはレフトを任されていました。序盤戦こそ緊張で思うようなプレーができなかったものの回を追うごとに、みんな小さな体でグランドを駆け回り必死に戦っていました。ルル母、リコ母は、これまでの厳しい練習と重ね合わせ、涙を流しながらその勇姿を眺めていました。
しかし全国の壁は厚く、検討虚しく、ルルリコ達ウキウキスピードは一回戦で敗退してしまうのでした。試合終了の瞬間からルルリコの瞳からは大粒の涙がこぼれ落ち、誰もいなくなった雨のグランドをいつまでもいつまでも離れようとしませんでした。
やがてその瞳からは、涙は消えており「次は絶対に負けないぞ」「もう、負けたくない」という意気揚々とした眼光でグランドを睨むように眺めていました。
この全国大会で、同じ三重県代表のライバルでもある「三雲女子ソフトボールクラブ」は初戦を突破し勢いに乗り順当に勝ち上がり、ついには全国3位という輝かしい成績を修めたのでした。
この戦いぶりを目の当たりにしたルルリコは、共に三重の代表を争った身近なライバル達がその栄誉を掴んだ事で、「私たちにもできるはず!」「だから、いっぱい練習する!」という決意を俄然固めたのでした。
それは容易な事ではない、夏の全国大会に出場するには、三雲女子ソフトボールクラブに勝たなければ出場することが出来ない、ということは全国で優勝する力をつけなければならないということを小学生ながら明確に感じ取っていました。
この大会以来、ルルは守備に全力を注ぎ、三重県一の内野手を目指し、リコは毎日500回の素振りをこなし、三重県一の4番バッターを目指したのでした。
一方、この全国大会をきっかけとした一連の流れを目の当たりにしたリコ父・ルル父は、「こんな経験はルルリコだけではもったいない。この感激とそこに生まれる子ども達の成長ぶりを島の人達にも味わってほしい」と密かに思ったのでした。
偶然拾った全国大会でしたが、この出来事をきっかけに子ども達はもちろん、親の心も揺れ動き、ソフトボール・応援にどっぷりハマっていくのでした。


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