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るるりっこ


2014年8月号  第4話「オクダからの電話」

 試合に出たいという、ささやかな夢を抱きながら毎日の野球生活を楽しんでいたルルとリコに、
いよいよその時がやってきました。
 ある練習試合での事。結構な大差で負けている試合での最終回の攻撃、ワンアウト、ランナーな
し。監督がタイムをかけ審判のもとへ。さあいよいよ出番か?ルルか?リコか?

その次の瞬間「代打、ルイ。」お次は「代打、マユ。」さほどやる気がある訳でもないお姉ちゃん
達だが、当然ながら年功序列でお姉ちゃん達からの出場…。そして「アウト!ゲームセット!」主
審の大きな声がグランドに響き渡った!
 ルルとリコの表情は完全に曇った。さらに試合終了直後、お姉ちゃん達ルイ・マユの会話…「ビ
ビったよな~。」「もう、出たくないよなあ~」「もういい、もういい。」こんな会話を聞いたル
ルとリコが黙っているはずもない。当然ながら姉妹喧嘩勃発!
【雨降って地固まる】
 ルルとリコの気持ちを充分に理解したお姉ちゃん達は、心から反省したようでした。そしてこれ
までより一層練習を一生懸命にするようになっていきました。当然ルルとリコもそれに負けじと練
習をしていったのでした。
 そして何日か経った週末、ようやくルルとリコのささやかな夢は叶いました。ルルもリコも代打
での出場!結果は二人とも三振。しかしながら晴れ晴れとした表情で、あれこれやとすべてを自慢
話に変えて楽しそうにその経験を家族に話していたようでした。
時は流れ、お姉ちゃん達ルイ・マユも六年生も終わりにさしかかり。とうとう引退試合を迎える。
この頃になると、ルイもマユもそこそこボールを打つことができるようになり、たまには守備を任
されるようにもなっていました。ルルとリコとも比べても、やはり体 も大きいしパワーも数段上
。さすがに男の子には叶わないににせよ相当自身はあったようです。
 引退試合では、ルイもマユも代打で出場。しかしながら活躍する事はできませんでした。試合終
了後、少し涙が残った瞳でルイとマユが妹達に「あんたらは頑張れよ」「オイらは中学校行ったら
ソフトボール部に入って頑張るから。」ルイ・マユは既に野球の楽しさと、一生懸命を楽しめるよ
うに成長していたようでした。さらに次のステージを決めて、やり残した事への反省から、自分の
やりたい事、やるべき事を見据えていたのでした。ルルとリコはそんなお姉ちゃん達に対して憧れ
という感情を覚えたのでした。
 島の桜がきれいに咲き誇る頃、お姉ちゃん達とルイとマユは島の中学校に入学し、宣言通りにソ
フトボール部に入部。初心者ながらルイ・マユ以外に9人の友達も入部。この年、新人部員11名が
ソフトボールに入りました。
 ルルとリコは5年生にそして3年生になった三女サキも友達のカナンとユウリと一緒に野球を始
めることになったのでした。この頃になるとルルリコの一個上の6年生にも数名の野球女子がいま
した。ヒナ達である。ということもあり、ルルリコは大好きな試合になかなか出る機会も増える事
はありませんでした。野球することは楽しいが試合に出れない悔しさで、ちょっぴり不満な気持ち
を隠しきれずにいました。
 そんなある日の事、リコパパの島外の友人オクダからの一本の電話…。「遠いけど、ソフト見に
来る?」
 リコパパ「はあ?島外やろ?無理無理!」
 オクダ「まあ、一回見においでよ。」
 この一本の電話で、多くの人の人生が変わっていくことをまだ誰も知る余地はなかったのでした。


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