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るるりっこ


2014年6月号  第2話「退屈からの脱出」

「お前が悩んだら、やっぱり一番に相談しろよ!…(省略)…どんなことがあっても姉妹やと、あきらめとるし!(笑)」

ルル17才の誕生日に贈ったリコからの手紙。

 現在…今だ、一つの目標に向かっているルル・リコがいます。きびしいが、青春を無調になれる環境の中で、真っ黒に日焼けし、土にまみれています。
 したたり落ちる、汗・汗・汗…。
 果てしなく響き渡る、声・声・声…。
 17才の少女達の挑戦は、今なお真っ最中であります。
この発端は数年前のルルの一言から始まったのでした。

ルル・リコ小3の春…。

リコ… 「今日、何して遊ぶ~?」
ルル… 「何でもいいよ~。」
    「レジごっこする?」

リコ… 「え~またぁ…。」

いつもの会話にも退屈さが出てきたようです。それもそのはず、二歳児で保育所に入ってから、何をするにもずっと一緒ですから無理もありません。
 そんな頃、二人に転機が訪れました。
 二人が生まれ育った、小さな島ですがスポーツが盛んな環境がありました。島には野球・剣道・レスリング、3つの小学生のスポーツ団体がありました。
 ある日の事…

ルル… 「リコちゃん、スポ少の3年生から入れるんやって!で、で、で、剣道も入れるんやって!やろ!やろ!」
    「どっちにする?なあ、どうする、どうする?」
 目を丸くキラキラ輝かせた、超前向きなルルの提案に対して…
リコ… 「ええ~。どっちでもいいけど野球は怖い~。」
 現在のリコからは想像しがたいくらいの臆病ぶりな反応…。
 … さてさてどうするのかな? …
 こんな会話を横目にしていた、ルルパパとリコパパには、それぞれの目論見がありました。
 ルルパパは剣道経験者であり、指導の経験もある為、どちらかと言えばルルには剣道をしてほしかったようです。また、リコパパは、野球経験者であり、我が子とキャッチボールをするというささやかな夢があったのでリコには野球を選んでほしかったようです。
しかし、どちらの父親も自分の思いを押し付けることもなく二人の行く道を、そっと眺めて待ちました。間もなく、相当悩んだ二人にもいよいよ決断の時が来たようでした。
ルルは野球がしたくてたまらない様子、対してリコは野球はやっぱり怖いと渋っている様子。そして…

ルル… 「リコちゃん、野球にしよ!ルルはイチローみたいになりたい!かっこいいやん!」
リコ… 「リコも、松井(当時巨人)好きやけど、やっぱり怖いし…」

 煮え切らないリコに、ルルが意表を突く口説き文句を出した!

ルル… 「でもさあ、スポ少の野球って遠足でナガシマ温泉に行くんやって~!」
リコ… 「行きたい~ナガシマ行きたい~!野球にする~!」と即答。
 そこかよっ!
 まんまとルルの思惑通り流れた展開。(笑)
 何はともあれ野球を始めることになったルルとリコ。そしてルルリコそれぞれの姉妹を巻き込んで始まる野球生活がこの日、幕を開けました。
 退屈からの脱出でありました。


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