るるりっこ
2016年6月号 第25話「第一次選考会」
会場である久居中学校に到着したルルとリコは、その参加人数を目の当たりにして絶句したのでした。グランドを見渡すところ、ざっと150名程の選手が既にウォーミングアップをしていたのでした。
この選考会では、3月に開催される「全国都道府県対抗全日本女子中学生ソフトボール大会」での出場メンバーを決めるもので、8月に第一次選考会を行い約40名に絞り、さらに11月に第二次選考会を行い最終17名を選出するためのものです。
今回の第一次選考会に参加したのは、「我こそは!」と志を高く持った県内各学校の女子ソフトボール部の面々約150名でした。
ルル…「めっちゃ、多いよなあ!何人受かるんやったっけ?」
リコ…「……17人」
ルル…「やるしかないよなあ!」
リコ…「やるしかない!」
ルル…「絶対二人で受かろうな!」
リコ…「うん。二人でな!」
二人は唇をかみ締め覚悟をあらわににし、グランドに飛び出し黙々と練習を始めたのでした。 この大人数の参加メンバーの中には、ルルリコの小学生時代からのライバルや、チームメイトも沢山参加していました。度会中学校の中には、小学校時代に良きライバルであったピッチャーのルカの姿もありました。
ルル…「あっ!ルカちゃんや!」
ルルは、いち早くルカの姿を発見し声をかけました。気付いたルカは、すぐさまルルリコのところに駆け寄ってきました。
ルカ…「リコ~!ルル~!」
リコ…「ルカちゃん久しぶり~!」
ルカ…「久しぶり~!」
ルル…「あのさあ、ルカちゃん絶対受かるよなあ!ええなあ~!」
ルカ…「そんなん分からんよ~!こんなにいっぱい居るとは思わへんだわ~。」
久しぶりの再会で、三人でワイワイ騒いでいると他の度会中メンバーや三雲中メンバーも三人に気付き集まってきました。
ルル…「みんな、めっちゃ久しぶりやなあ!」
ルカ…「みんな覚えとる?小学校の三重県選抜の時にさあ、またこのメンバーで中学校の選抜もみんなで選ばれて、一緒にソフトやろうって約束したよなあ!(笑)」
全員…「うん!したした!」
リコ…「みんな揃って受かりたいね!」
全員…「がんばろな!」
小学校時代の財産、多くの仲間の存在で、ルルリコの緊張もかなり柔らいだ様子でした。そしていよいよ選考会が開始しました。
まず午前中は、キャッチボール、ベースランニング、ノックなどの基本のメニューでした。この選考会は技術はもちろんの事、掛け声の大きさや協調性なども審査の重要な対象になっていました。
かつての仲間達の存在もあり、ルルもリコもリラックスした状態で動きも良く、選考会を楽しんでいる様子でした。そして昼からのバッティングのメニューも終え、あっという間に選考会の1日が終わりました。ルルもリコも「やれる事はやったから」という言葉を残しグランドを後にしました。
そして一週間後… 150名中の40名が発表されました…。